ブログ・コラム
2023.07.23
暮らしの環境を素材も含めて価値観とあるべき環境のデザインを提案するように日常的な暮らしの環境設計。
- カテゴリ:
- 素材・建材・打ち合わせ・検討
よく考えた住まいは暮しが楽しくなる。
※外部環境との共存に程よい距離感をつくり住まい手にとって過ごしやすく心地よく息をする暮らしが出来る空間提案(LDK)・家具は飛騨家具をレイアウト
今日は、以前から利用している「gooブログ」を通じても
よくある質問なのですが
自然素材にニセモノがあるって本当ですか?
という事について
少しこちらのblogでも書いてみたいと思います。
TVや雑誌・・・勿論住宅展示場などでも、
自然素材の良さが宣伝されるにつれて、
無垢材を使用した
フローリングを採用している
という住宅会社も増えてきました。
ところが、
この無垢のフローリングにも色々な種類があり
加工品も多く出回っていますし
ウレタン塗料を塗っている会社も
多く見られます。
ウレタン塗料自体は、
国が定めた基準のF☆☆☆☆を
クリアしたものがほとんどなので、
大抵の人には影響が少ないと考えられています。
厚い塗膜が無垢材をコーティングしますから、
傷つきにくくなるという理由で
採用している事も多いと思います。
ちなみに、このF☆☆☆☆というのは、
建材がホルムアルデヒドという
化学物質を出してしまう量が
一番少ないグレードのものにつけられる等級です。
このグレードの建材は、
建築に使う量を制限されません。
だから一般的には
多くの人には安全ということになっています。
しかし、F☆☆☆☆の建材をたくさん使う事は、
直ちに健康に影響があるものではない
といった感じでしょうか・・・・・。
大抵の人には影響がなくとも、
人体には有害といわれている
トルエン・キシレンといった
溶剤を含んでいるため、
肌が敏感だったり
アレルギーの過敏性があったり
呼吸器系の弱い人や
シックハウス症候群などの敏感な人には、
あっという間に反応が出てしまいます。
昨今の気密性や性能値第一主義
全館空調で窓を開放しない考え方等に関しては
ある程度の余裕を
持った方が良いかと思いますよ。
実際に全館空調住宅に住んで
10年もたたないうちに
いろいろな事が発生して
尚且つ、全館空調の維持管理に関しても
フィルターの管理も大変で
目的と手段についての選択をイメージすべきだったと
いう住まい手さんにも出会い、
その方は当方でもう一度新規で家造りをされ
体の不調も気持ちの不調も
改善されています・・・・・。
人には向き不向きがありますし
合う合わないもあります。
皆が良いというからそれを採用する
そういった家造りではなくて
自分たちにとって何が最適で最良なのか?
そういったところを価値観と共に
考えるべきかと思いますよ。
シックハウス症候群の原因になると
考えられている有毒化学物質は、
60種類以上にもわたりますす、
このF☆☆☆☆の基準は、
そのなかのたった数種類にしか適応されません。
ですから、
極端な話ですけど、
ホルムアルデヒドは基準値以下なのに、
残りの数種類の有害化学物質が出ている、
そんな建材でも、
基準さえ通ればF☆☆☆☆のグレードが認定されてしまいますし
家本体がそうであっても
後から買って置くタイプの家具などでも
そういったことを考えて選択しないと
気付かずに不幸になる事もあります。
食品関係の表示とも
似たようなところもあるかと思います。
結局、自然素材は
自分自身の目や肌で触れてみて
その空間に身を置いてみるのが
一番確かな方法です・・・・・。
数字だけが全てじゃありません。
建築と空間は体感の集合体ですから
自分の目や肌で確かめれば
自分にとってそれが
必要なものなのかどうかが分かります。
そういう意味で、
僕は家造りの相談等をお受けした際には
そういったところのお話しも含めつつ
もし・・・自然素材に
興味を持って家造りを考えていらっしゃる場合には、
いろいろな自然素材を
実際に触れに行く時間を設ける事を
お勧めしています。
そうして初めて
ニセモノの自然素材と
本物の自然素材の区別、
自分たちに何が本当に必要な素材あのかが
見えてくると思います。
人も家も環境が大切です。
呼吸する際に
どんな環境が自分たちにとってよいのか?
触れるものはどのようなものがよいのか?
居場所で変化する気持ちや体の状態。
大阪市内で住んでいて
体調もストレスもよくなく
かかりつけのドクターより環境を変える事をすすめられて
藁をもすがる思いで
僕にお問い合わせをくださった人もいました。
その際は新築やリフォームではなく
移住・引っ越し先で中古住宅を探す
そして暮らしについてのアドバイスをとの事で
暮らしの環境計画について
建築家として出来る事を
させていただきました。
自然素材が絶対に良いという訳では無くて
住む環境と家の使い方
設備や過ごし方など
色々な行動や考え方のつながりで
気持も身体も暮らすことで変化します。
杉や檜など
自然のままの無垢材を用いた建築は、
反りが出たりすることがありますから、
そういうものを気にする方には
お勧めすることはできませんが、
住む人が健康的になり
そのご家族にとって
最も良いと考えられる環境を提案できるように。
このブログを読んで下さる人の中には
どうしても自然素材の家がいい
と言う人もいるでしょうし、
また・・・そうでない人も多くいると思います。
僕は全ての人が
必ず自然素材で家づくりをしてほしい
とはまでは思っていません。
それぞれに身体的な向き不向きや
アレルギーや環境に対する適応も
暮らしてきた環境も
価値観もすべて違っていると思います。
ご夫婦の間でも
趣味嗜好の違いもあるでしょうし、
例えば料理の好み、
見た目だけではなくて
味付けやそもそもの好き嫌いもそうですし
例えば洋服の好みや
車の好み等にも色々あるように、
家づくりも十人十色、
一人一人こだわりも違って当然です。
ただ、健康を重視される方、
現在アレルギーやシックハウス症候群に
悩まされたりする方のなかから、
誤った知識で本物ではない自然素材の住宅を
選んでしまうことのないよう、
後悔のない家づくりのために、
少しでもお役立ちできますようにと願っています。
暮らしと環境の事丁寧に考えていますか?
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