ブログ・コラム
2024.05.01
アイランド型キッチンを採用する空間構成のデザインで大切な使い勝手をイメージする設計の考え方提案
- カテゴリ:
- 家具と暮らしとインテリアコーディネート
アイランドキッチンを設置する際に
気を付けること。
ダイニングと
対面するタイプの「対面型キッチン」は
いまやスタンダードと言って良いほど
一般的になっています。
そのスタイルの
ひとつである「アイランドスタイル」、
俗に言うアイランドキッチンですが
人気が高い一方で
ペニンシュラスタイル、
あるいはI型のものと比べると
その普及度はやや見劣りします。
それは国内の住宅事情にまつわる
いくつかの制約に
起因するものもあり、
その点をしっかりと見極めないと
理想のキッチンも
使い勝手の悪いものとなりかねません。
新築やリフォームで
キッチンを新しく導入する際に
アイランドスタイルを選ぶ場合の注意点、
そして導入するための
リカバリー方法は
どのように考えるべきなのか?。
アイランドキッチンは
左右の回遊スペースの確保が重要。
対面型のキッチンを導入する際に
アイランドキッチンよりも
ペニンシュラキッチンが
主な選択肢となりやすい理由。
それは室内の
スペースの制約にあります。
アイランドキッチンとは
キッチン自体が
他の壁や設備と接していない
独立したものです。
文字通りキッチンが
ひとつの「島」となっています。
必然的に
キッチンの周り四方には
スペースができて、
そこには回遊可能な余白が無いといけません。
一方、
ペニンシュラキッチンは
「半島」の名前が示すように
左右どちらかが壁に接しています。
壁に接している部分から
回遊はできないので、
必然キッチンへの進入経路は
ひとつだけになります。
つまり同じ幅を持つキッチンがあるとして、
アイランドキッチンは
回遊スペースが余分に必要になり、
その点でどうしても
室内の広さの確保に
限界のある大部分の国内の住宅では
導入が難しくなるのです。
アイランドキッチンの導入の際には
左右に十分な余白があること、
それも「両手に物を持っている」など
あらゆる事態を想定した
余白があることを確認してから
決定していくことが重要で
尚且つ「給湯等」のスイッチやリモコン類も
周辺要素として
間取り検討の際に
忘れないように・・・・・。
壁のある位置との
関係性が重要ですから。
結果として
キッチン本体が小さくなる、
シンクとクックトップが
2つに分かれるⅡ型を
導入する=コストが掛かるなどが生じるのであれば、
それを許容できるかどうかも
導入への重要なポイントとなってきます。
アイランドキッチンは
各種費用が割高になる。
アイランドキッチンを
リフォーム等で導入する場合、
通常のキッチンを選択するよりも
割高になることが多くなります。
例えば、
これまで使用していたキッチンが
アイランドスタイルではない場合は
配管の位置などを
大幅に移設する必要が出てきます。
それによって
キッチン自体の費用だけでなく、
建築工事に掛かる費用も
大きくなるのです。
また、
アイランドキッチンの場合、
レンジフード自体も
通常の正面壁付けタイプや
横壁付けタイプと異なり
天井から吊り下げる
センターフードになります。
この取り付けには
天井の下地組みや吊りボルトが必要となり、
同時にセンターフード自体が
ほかのレンジフードと比べても高額です。
さらに排気ダクトの位置が変わる場合は
ダクトの延長を必要とします。
場合によっては
天井から完全に作り変える
必要もあるため、
注意が必要です。
アイランドキッチンは
通常のキッチンよりも
キッチンそのものが割高になります。
ワークトップのエッジも
4面仕上げが必要となることや、
サイドのパネルについても
ペニンシュラであれば
1枚で済むところが
2枚必要になる、
あるいは面材やワークトップの
素材にもよりますが
他のキッチンよりも
価格が上がることが
前提となるキッチンです。
キッチン設計においては、
細部の変更が
大きなコストアップになることもあります。
当然、
全体の価格にも影響することになり、
それはオーダーキッチンが
割高になる一つの要素ともなります。
逆にシステムキッチンなどは
変更や希望の余地を
強力省いたもの(=規格品)とすることで
コストダウンを図っているのです。
アイランドキッチンは
リカバリーの仕方次第で
導入できる。
ここまでは
ある意味で「デメリット」ばかりの
紹介でした。
それでも一定の人気と
導入率を誇るのは
条件さえ揃えば
非常にメリットも高いからであり、
快適に使用できるためです。
キッチン周囲の回遊性に優れている点、
家族でキッチンを使う場合や
ゲストを招いて
キッチンとダイニングを
行き来しやすくしたいという場合には
動線が重ならない点は
大きなメリットとなります。
また、
リビングダイニング側に
収納機能を設けることができるので
利便性にも優れています。
そこでデメリットを踏まえた上でも
やっぱりアイランドキッチンを
導入したいという場合、
そのデメリットは
工夫次第でリカバリーも可能です。
スペースとコストの問題は
これで解決する。
まずは空間の問題、
つまりアイランドキッチンの導入によって
回遊スペースが
狭くなってしまうという問題を
どう解決するのか。
一つの案としては、
キッチン左右のスペースを考えるにあたり、
片側だけ幅を
広く確保しておくというものです。
この場合、
もう一方は一名がギリギリ
通過できる程度の
スペースにします。
動線としてよく使う側、
(特に冷蔵庫とダイニングの行き来は多くなる)
の回遊幅を800ミリは確保し、
もう片方は450~600ミリ程度に抑えます。
これは動線を調整することで
全体をコンパクトに収める方法です。
もう一つは
先にも出た、アイランドにはシンクのみで、
クックトップは背面という
2列型(Ⅱ型)にするプランです。
アイランド側を
シンクと食洗機だけにすれば、
総幅は1400ミリ程度に
抑えることができて
コンパクトになります。
シンク幅を約700ミリとすれば、
作業スペースも700ミリ確保でき、
アイランドの奥行きも考えると
十分な作業面が
確保できるはずです。
そしてクックトップを
背面側にすることで、
特にリフォームにおいて
既存のキッチンが
壁付けタイプの場合は、
レンジフードのダクトを
移設するコスト問題も削減でき、
キッチン2台の製作コストも
ある程度相殺できるかもしれません。
あるいはシンプルなI型キッチンを
コの字型の腰壁で囲って
アイランドのように見せることで、
アイランド風に仕立てることが
可能であり、
これもコスト面で有用です。
奥行き650ミリのI型キッチンであれば、
ワークトップの奥行きが
小さいことで
コストが抑えられるだけでなく、
ワークトップのエッジの仕上げも
1方向のみで済みます。
さらには両サイドも腰壁で囲えば
サイドの化粧パネルも不要となるため、
キッチン自体の価格を
抑えることができます。
その場合、
腰壁の高さによって
印象が変わりますが、
よりアイランドキッチンに
近く見せるのであれば
腰壁は低めに、
手元を隠したい、
油ハネが気になるという人は
少し高めに、
といったアレンジも可能となります。
数あるキッチンスタイルのなかでも
アイランドスタイルは
日本ではまだそう多くはありません。
これはスペースの問題もさることながら、
キッチンをインテリアの一部と捉える
海外の考え方と
住宅設備とする
日本の考え方の違いによる部分も
大きく影響しています。
特に細部を気にする
日本人の気質として、
アイランドは油煙や水ハネの問題や
手元が丸見えになることから
キッチンの打ち合わせの中でも
敬遠されることも
珍しいことではありません。
しかし、
レンジフードの性能も
日々進化していることや、
何よりも家族との会話を楽しみながら
LDKで過ごすことができる
アイランドキッチンならではの
メリットも多々あります。
キッチンを新規に検討する際には
アイランドキッチンも
暮らしの価値観にあわせて
考えてみても
良いのではないでしょうか?。
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