ブログ・コラム
2025.03.27
住み慣れた木造住宅をリノベーションで環境を改善する間取りと性能向上の計画、暮らしを見直しつつ人生設計の中に安全性と安心感、そして程よく暮らしを包み込むイメージの世界観。
- カテゴリ:
- リフォーム・リノベーション
木造住宅
リノベーションがもたらす
暮らしの悦び。
※ご自宅のリノベーション工事を進めながらのイメージ打ち合わせ・愛犬も一緒に
和モダンの調和と
日々の潤いをご提案。
今回も暮らし方提案の中で
大幅な間取りの変更と
構造の再検討、
そして様々な
暮らしの要素を
昇華するリノベーション。
奈良には数十年、
時には百年以上も前に建てられた
木造住宅が
数多く残されています。
そんな歴史を重ねた家々は、
当時の大工職人による
丁寧な手仕事や
厳選された木材の魅力を、
今なお宿し続けています。
一方で、
耐震性や断熱性能、
設備の老朽化など、
現代の暮らし方や
快適性には
やや物足りない部分を
抱えていることも事実です。
古きよき内容を残し
新しく機能的で
過ごしやすくなる環境創出に
リノベーションという選択肢があります。
今回はそんな木造住宅
リノベーション途中での打ち合わせ。
古き良き趣を大切にしつつ、
暮らしの環境を
改善していくという
考え方です。
木の温もりと歴史を紡ぐ
リノベーションという選択。
木造住宅のリノベーションは、
単に建物をつくり変える
行為だけを意味しません。
※リノベーションの設計・間取りプランに応じて解体施工中・この場所はセカンドリビングになる計画
※セカンドリビングのイメージパース図
間取り変更の際構造的に抜けない柱部分はデザインに盛り込んで再活用
住まいに受け継がれてきた歴史や、
そこに息づく文化、
住まい手ご家族の想いなど、
目に見えない財産を
丁寧に掬い取り、
それらを活かしながら、
新しい暮らしの在り方を
模索するプロセスでもあります。
もともと日本の建築文化には、
四季の移ろいを受け止め、
柔軟に形を変えながら
住み継いでいくという
伝統がありました。
木造住宅をリノベーションで
再生させるという選択肢は、
まさにその考え方を
現代に受け継ぐ
試みとも言えます。
木がもたらす
自然の恵み木という素材は、
年月を重ねることで
風合いが深まり、
独特のぬくもりを
醸し出すようになります。
触れたときの優しい肌触り、
季節や時間帯で微妙に変わる香り、
光の加減によって
表情を変える木目の美しさ。
こうした要素は、
無機質な空間にはない
豊かさを
住まい手にもたらしてくれます。
リノベーションによって
古い梁や柱を
磨き上げた空間に身を置けば、
まるで家そのものが
語りかけてくるかのような、
不思議な親密感を
覚えるかと思います。
暮らしに合わせた
間取りの
再構築で得られる心地よさ。
既存の木造住宅は、
その構造や間取りに
昔ながらの風習や
生活様式が反映されています。
※広縁と和室四間取のスペースは床の間や仏間を残し一部は座面畳エリアとして面影を残し
集まる場としての庭の環境と連動する大広間計画に
続きの和室が多い家もあれば、
土間を中心に
家族が集う仕組みをもった
家もあります。
それらをただ「現代風に変える」のではなく、
いまの暮らし方と
結びつけながら生かすことが
リノベーションの持ち味と言えます。
家族の生活動線を整える
現代の暮らしでは、
家事動線の効率化や、
プライバシーを確保しつつ
家族のコミュニケーションを
取りやすくする間取りが
求められることが多いです。
例えば、
古い住宅によくある
廊下が多くて
部屋が細かく区切られている
レイアウトを、
LDKを大きくまとめながら
必要に応じて
別用途、
和室や書斎を配置する形へと
再構築する。
そうした工夫が可能になります。
既存の構造上どうしても
残さなければならない
柱や壁をうまく取り込み、
意匠として見せることで、
古さと新しさが
調和する上質な
住空間が生まれます。
和モダンがもたらす
落ち着きと洗練。
和モダンという言葉でも
様々な状態が想像できますが、
日本の伝統的な
要素(畳、塗り壁、木組みなど)と、
シンプルかつ機能性を
重視する現代デザインが
融合したスタイルを指します。
木造住宅を
リノベーションする際、
もともとある和の要素を
部分的に残しながら、
モダンなキッチンや空調設備、
照明計画を取り入れることで、
落ち着きと
洗練の同居する
心地よい空間が実現することも出来ます。
機能面の向上が
暮らしをさらに豊かにする。
見た目の美しさや
空間の広がりだけが
リノベーションの
成果ではありません。
住まいの性能を
向上させることは、
日々の快適性を
大きく左右する重要な
ポイントとなります。
耐震補強と安心感。
日本は地震が多い国です。
木造住宅は
地震に対してしなやかに
揺れを吸収しやすい
利点がある一方、
築年数によっては
筋交いや金物の補強が
不十分であるケースもあります。
リノベーションの過程で
構造を見直し、
必要な補強を施すことで、
この家ならば
安心して住み続けられる
という安心感を得ることができます。
断熱改修と室内環境の向上。
古い木造住宅では、
断熱性の低さや
隙間風に悩まされがちです。
断熱材をしっかりと入れ替えたり、
窓サッシを
高性能なものに
交換したりすることで、
冬場の底冷えや
夏の蒸し暑さを
大幅に軽減できます。
これは、
光熱費の削減だけでなく、
室内の温度変化を緩やかにし、
ヒートショックなどの
健康リスクを下げる効果も
期待できます。
設備の刷新で
生活の質を高める。
築年数の古い家の
水回り設備
キッチン、浴室、洗面、トイレなどは、
現代の生活スタイルに
そぐわないことが
多いものです。
リノベーションを機に、
設備のアップグレードを行うことで、
毎日の家事がぐっと楽になり、
ゆったりとした
バスタイムや
清潔感のある衛生環境を
享受できるようになります。
住まい手さんとの対話が生み出す
“人生を映す住まい”。
暮らしている建物を
リノベーションするという事。
新築と大きく異なるのは、
住まい手さんが
そこで積み重ねてきた
時間や思い出を内包している
という点です。
既存の木造住宅には、
住まい手が暮らしの中で
培ってきた家族の物語、
遠い昔の大工や職人が残した
仕事の痕跡など、
計り知れない価値が宿っています。
そこに手を加え、
新たな暮らしのカタチを
計画するためには、
住まい手と設計者との
じっくりとした対話が
欠かせません。
暮らしを共有する
打ち合わせの時間。
住まいの計画を進める際、
住まい手の方々は
「どのように一日を過ごしているか」
「どんな時間帯を大切にしているか」
「将来的にどんな空間が必要になるか」などを、
設計者に率直に
お話しくださいます。
その中で
「朝日を感じながら食事を取りたい」
「休日は子どもやペットとリビングで遊びたい」といった
イメージを一緒に具体化し、
図面やパース、
サンプルなどを使いながら
検討していきます。
このプロセスを経ることで、
住まい手さんの
ライフスタイルや価値観に合った
間取りや動線、
素材の組み合わせが
見つかります。
小さなご要望であっても
一つずつ丁寧に形にしていくと、
最終的には
住まい手の人生観を
映すかのような
住空間が完成している。
それが注文住宅で生み出す効能の
素晴らしさだと考えています。
日常を豊かに彩る
和モダンの陰影と素材感。
日本の住まいの魅力は、
四季の移ろいを
柔らかに受け止める
空間設計にもあります。
木造住宅を
リノベーションすることで、
その特性を活かしながら、
心身ともに
リラックスできる住まいを
手に入れることが
可能になります。
陰影を楽しむ照明計画。
障子や格子戸を通して
こぼれ落ちる光、
間接照明が作り出す陰影は、
日本の伝統家屋の
美意識を象徴する
要素のひとつです。
リノベーション後の
和モダン空間でも、
あえて光と影のコントラストを
活用しながら
落ち着きを演出するのが
好まれます。
夕暮れどきに照明を点灯すると、
木の梁や柱、
塗り壁のテクスチャが浮かび上がり、
まるで懐かしさと
新しさが同居するような
特別な時間を育むのです。
素材がもたらす調和。
リノベーションによって
取り入れる素材は、
フローリングや塗り壁、
和紙、畳など、
多種多様です。
これらの素材がもつ質感は、
人間の感覚に優しく、
時間が経つほどに
味わいが増していくように
検討を施します。
モダンなキッチンや
家具を組み合わせても
不思議と馴染むのは、
木や土、紙といった素材が持つ
“普遍的な調和力”の
おかげかもしれません。
リノベーションが導く
“心の安らぎ”という価値。
現代の住宅は、
利便性や最新設備を
追求する傾向が強い一方で、
自然とのつながりや
家族とのふれあいを
感じられる空間が
失われがちでもあります。
木造住宅のリノベーションで
得られる大きな恩恵は、
そうした“温かみ”や
“安らぎ”をもう一度、
住まいの中心に据えることが
できる点にあるかと思います。
調和を意識した窓の配置。
昔の家づくりには、
風の抜け道や
光の入り方を
巧みに取り入れる知恵が
詰まっています。
リノベーションによって
窓の位置や大きさを見直すことで、
朝の柔らかな日差しや
心地よい風が家の中を巡り、
季節の変化を
肌で感じられる
空間が生まれます。
カーテンや障子を開け放つと、
庭の緑や近隣の風景とつながる
広がりを楽しむことができ、
「家にいながら自然を感じる」
という贅沢を味わえる
環境づくりも大事だと
考えています。
家族のつながりを深める
空間づくり・・・・・。
現代の暮らしの中では、
家族がそれぞれ
自室にこもりがちという
課題も聞かれます。
広々としたLDKを中心に据え、
そこに畳スペースや
読書コーナーなどを設けたり
自由に部屋を
仕切りことが出来れば、
家族は思い思いの
過ごし方をしながらも、
常に互いの気配を
感じられる
温かな関係が保たれます。
長い年月を経て磨かれた
木の梁や柱が、
家族の暮らしを
どっしりと支え続ける。
そんな情景を想像するだけで
心安らぐ事柄もあるかと思います。
住まいに寄り添う
設計の姿勢が育む新たな物語。
住宅のリノベーションを
成功に導くためには、
設計者や施工者の視点と、
住まい手の想いが
真摯に交わることが欠かせません。
既存の構造を活かしながら
理想の暮らしを描くプロセスには、
数多くの検討事項や
試行錯誤が伴います。
しかし、
その分だけ完成した空間には
愛着が深まり、
“自分たちの物語を紡ぐ家”としての
輝きが増します。
対話の中で生まれる創造性。
打ち合わせや
現地調査を重ねる中で、
住まい手さんの何気ない一言が
新たなアイデアに
つながることがあります。
例えば「昔の欄間(らんま)が好きで、
残したいけど使い道が分からない
というお話をきっかけに、
アクセントとして
玄関ホールに飾ってみたり、
小上がりスペースの仕切りに
再利用したり
何気なく残されていた建具が、
リノベーション後の象徴的な
存在となることもあります。
そうした創意工夫の積み重ねが、
唯一無二の家づくりへと
結実していきます。
古き良き家を
未来へ継ぐリノベーションの意義。
木造住宅(木の家)の
リノベーションは、
古さを“欠点”と捉えるのではなく、
“資産”として捉える
発想から始まります。
先人たちが培ってきた
建築文化の温もりを受け継ぎながら、
現代の生活を豊かにするために
必要な補強や改修を施す。
その行為は、
単に家が生まれ変わるだけでなく、
住まい手さんの人生や
地域の風景をも
彩る大きな力を持っています。
和モダンの空間で、
家族や大切な人達とともに
四季を感じ、
日々の営みを楽しむ。
そうした穏やかで深い喜びが、
住まいの選択には
詰まっているものだと思います。
家は単なるハードウェアではなく、
暮らしを育む「場」として
欠かせない存在。
日本の住宅文化には、
古い建物を活かしながら
暮らしを柔軟に変化させ、
自然や季節と調和して
生きる知恵が
伝承されてきました。
木造住宅のリノベーションは、
その伝統を
令和の時代に繋げる
選択肢のひとつです。
続きはまた工事中の
打ち合わせで。
やまぐち建築設計室は
その家に暮らす家族の過ごし方を
デザインする設計事務所です。
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■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/
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