ブログ・コラム
2023.07.12
家のつくりと庭のつくり、間取りと連動する暮らし方の価値観に窓の繋がり方と暮らし方のデザイン大きな窓との繋がり方をどのような観点で設計していくべきかを間取り計画と連動してイメージする事。
- カテゴリ:
- 設計の事・デザインの事
よく考えた住まいは暮しが楽しくなる・・・・・。
暮らしを考えるうえで
大きな窓のある家の優位性もありますが
逆にプランや土地の状態、
暮らし方等によっては
良くない点も存在します。
メリット・デメリットという観点。
家を建てる債に
魅力の一つとして大きな窓の存在・・・・・。
大きな窓があれば、
明るくて開放感があっていいなと思う反面
夏は暑いのか、
外から丸見えになるのか・・・。
などの不安を感じる人もいますよね。
そういった大きな窓のある家のメリット、
そしてデメリットや
その解決策を考慮しながら
庭や視界の持つ意味を考える時間も
間取り構成とプランの検討時間には大切。
※LDK・リビングと和室に繋がる部分をコの字型に建物と間取りをデザインして奥行きのある中庭を設けて日差しや視線等をコントロールした設計・(仮称)橿原の家
まず、大きな窓のある家のメリットとしては
採光(自然光)が取り入れられること。
※LDK・リビングと和室に繋がる部分をコの字型に建物と間取りをデザインして奥行きのある中庭を設けて日差しや視線等をコントロールした設計・(仮称)橿原の家
玄関やリビング(LDK)、廊下、
バックヤード、部屋干しスペース等
用途や過ごし方によって
全体が奥の方までぱっと明るく、
冬はぽかぽかとした暖かさも感じたいと思う空間。
昼間は電気をつけなくても過ごせたり、
光熱費も状態によっては
削減できたりと、
省エネ&節約のメリットも存在します。
屋外空間を感じられる開放的な大きな窓は、
家の中と外との空間をつなげます。
家の中にいながら
外の景色を楽しんだり、
リビングからつながるウッドデッキを
第二のリビングとして使ったり、
同じ面積でも広々と感じさせます。
一体的な空間や開放感が魅力的になります。
大きな窓のある家のデメリット
としては
壁よりも熱の出入りが多くなる窓は、
冬は家全体で熱が一番逃げやす
そして逆に夏は熱が入りやすい場所。
いくら断熱や遮熱という性能がアップしても
壁のその構造や構成と考えると
窓単体での性能は劣ります。
否定するわけでもないですが
数字だけを信用しない方が良いです。
何も対策していないと、
暖房でいくら部屋を暖めても、
窓からどんどん熱が逃げていきます。
夏はその逆です・・・・・。
熱を逃さないために効果的なのが、
断熱性の高いガラスを採用することですが
同時に窓周辺にそれなりの効能が発揮されるように
庇や屋根、壁の一部を利用した障壁・・・・etc。
植樹や窓の角度を調整したりすることも
複合的に考えて窓の扱い方を
コントロールしたデザインを施すように。
これはパッシブデザインという考え方です。
パッシブデザインとは、
自然エネルギーをうまく設計に取り入れる手法。
太陽は、夏は高い位置、
冬は低い位置にあります。
この角度を考えて
庇・軒をつくることで、
夏は日よけをしながら、
冬は室内に光をたっぷり取り入れることが
できるようになります。
外から家の中が丸見えとならないように。
1階リビングに大きな窓があっても、
外から丸見えになるからと、
カーテンを閉めっぱなしになるのでは
少し残念な気もしますよね。
適度に開放感や風景を愉しめるように。
この問題にも
さまざまな解決方法があります。
例えば樹木を目隠しにする方法。
家の外や、
窓の前に木目の格子を設けることもあります。
家の中に景色は取り入れながら、
家の外からの視線はさえぎる。
相反することに
感じるかもしれませんが、
価値観や暮らし方に応じて
建てる土地や道の角度によって、
最も良い方法で設計するようにしていきます。
大きな窓にはメリットもデメリットもありますが、
デメリットは設計次第で
うまくコントロールできます。
もし「大きな窓をつくって失敗した」なんて話を聞いたことがあれば、
それはただなんとなく
大きな窓をつくっただけで、
採光や視線にきちんと配慮できていなかったケースでは?。
大きな窓で心地よい家づくりがしたい方は、
きちんと知識や経験を持ち合わせつつ
暮らしに応じた計画ができるように・・・・・・。
選択肢もキチンと
デザインする事が大切です。
やまぐち建築設計室 建築家 山口哲央