ブログ・コラム
2023.08.01
用途を決めつけずに兼ねる空間と立体的な空間構成から生まれる自由な空間・フレキシブルな構成が暮らし方にゆとりを生み出すように。
- カテゴリ:
- 暮らしの事
間取りを自由度高く使うように暮らす事。
余白を内包するように・・・・・。
※計画の住まい・スタディ模型にも余白を生み出すデザインの仕掛けが見えるように「立体」でご覧いただく
使う用途を的確に詰めた状態で
考えないように。
車のハンドルの「あそび」のように。
ある程度余裕を持たないと
危ない反応が生まれる。
家造りでいうと
間取りにもそのような要素が多くあります。
間取りだけに限らず
家そのものの要素に対して。
ある程度の自由度が存在するように。
例えば「部屋の使い方」を限定しない間取り。
空間を体感してみて、
思考空間のような場所で
ずっとこの場所に佇んでいたい気持ち、
思いに更けたい気持ちになり、
建築の空間自体の
美しさを感じるようなイメージ。
用途のない余白の空間によって
暮らしの豊かさに繋がったり、
余白の空間が派生し
用途のある空間を彩る役割を果たしたり、
部屋名や用途はないけれど
その空間がある事によって
豊かさの度合いが上がる・・・・・・。
世の中にあるものには「名前」・「名称」の存在があり
それについて「限定」されることも
数多くあると思います。
だけど部屋の名前をどのように考えて
自由度を高くしておくのか?
というだけでも
意識も変化すると思うんです。
そういう意味で
用途のない空間は
そんな可能性を秘めた空間なのでは?
と思います。
住宅はそもそも
人が住むための機能を持ち合わせているため、
用途が無いわけではありません。
住宅では建築全体ということは難しいですが、
住宅の中に
用途のない余白の空間を
内包することは可能です。
現実問題、
土地に対しての大きさや
予算が限られたなかで
用途のない空間をつくるのは難しい事です。
しかし廊下の幅をすこし広げてみたり、
LDKに「隙間」をつくったり
LDKだけど「壁と場を仕切る場所」をつくったり
吹き抜けとのつながり方を変化させたり
住宅でもちょっとした
余白の空間を間取りに融合させることで
名前が自由になる空間が生まれるのでは?
単純に用途や部屋を当てはめていき
余った無駄な空間というわけではなく、
豊かさの度合いが上がる
余白を内包した住宅。
そんな住宅を考える事で
家はもっと「自由を持つ空間」に
良い意味で変化すると思いますよ。
場を決めつけない
フレキシブルな空間の存在価値は
暮らしを豊かにするゆとりに。
やまぐち建築設計室 建築家 山口哲央