ブログ・コラム
2023.09.29
暮らしを彩る水回り空間の考えたひとつでも居心地が上質に変化します、例えばトイレ空間も日々の暮らしのシーンを想像してみてください。
- カテゴリ:
- 設計の事・デザインの事
質の良い設計とデザインで
暮らしをより豊かに。
オシャレでホテルライクなトイレ空間。
※ホテルライクをテーマに設計・デザインを施したトイレ空間(個人住宅)
毎日使うからこそこだわりたい
ポイントで家族の誰もが
毎日使用する空間。
それがトイレですよね。
※ホテルライクをテーマに設計・デザインを施したトイレ空間(個人住宅)
※ホテルライクをテーマに設計・デザインを施したトイレ空間(個人住宅)
自分たちらしい、
オシャレな注文住宅の家づくりを
進めるにあたっても
トイレにだって手抜きせずにこだわりたい
という方が多くいらっしゃいます。
トイレは、
家の中で最もプライベートな空間
とも言えますので、
オシャレなのはもちろんのこと、
落ち着くことが出来て、
快適な空間として仕上げていきたいものです。
※グレージュモダンをテーマに仕上げたトイレ空間(個人住宅)
採用するにも様々な要素があり
どのようにデザインのテイストを
考えるべきかも重要。
※シンプルを基本に無駄を省きつつ機能的な空間に仕上げたトイレ(個人住宅)
ポイントの一つに
タンクレストイレを採用するという事。
トイレ本体のタイプについてです。
トイレにはさまざまな種類がありますが、
大きく分けると3つに分類されるのを
ご存知ですか?
それが「タンクと便座の組み合わせタイプ」
「タンク一体型タイプ」、
そして「タンクレスタイプ」です。
中でも「空間」に対して
余白を生み出すという面で
メリットの多いのが
タンクレスタイプのトイレ。
※LDKの雰囲気を移行させてフローリングや壁面に家全体の一体感を持たせたトイレ空間(個人住宅)
その名の通り、
便器を洗浄する際の水を
貯めるタンクがないタイプのトイレの事。
タンクレストイレの
メリット・デメリット。
メリットとしては
デザイン性が高く、
省スペースに収まるタンクレストイレは
タンクがないため、
タンク式のトイレに比べて
物理的にも小さく
視覚的にも小さく見えるのが特徴です。
そのため、
省スペースでも
すっきり設置できるという
メリットがあります。
特に、
高さと奥行きは
タンク式と比べると約10〜20cmほど
コンパクトになります。
さらに、
タンクレストイレは
従来のトイレのイメージを
覆すような
スタイリッシュな形状のものが多いなど、
その高いデザイン性も人気の理由です。
節水効果が高いという事。
タンク式のトイレは
商品にもよりますが
1回の便器洗浄に約10リットル近くもの
水が使われているケースもあります。
一方でタンクレストイレの場合は、
1回の便器洗浄で約4リットルほどしか
水を使用しません。
つまり、
タンク式と比べて1/3以下の水量で
洗浄することができるんです。
節水効果はもちろんのこと、
年間の水道代でも
大きな差が出てきます。
掃除がラクだという事。
いくらおしゃれなトイレが完成しても、
黒ずみや水垢などが
目立ってしまっては本末転倒。
その点、
タンクレストイレは、
掃除のしやすさという面でもかなり優秀。
設計段階から「汚れにくさ」という部分に
フォーカスを当てて
作られていますので、
従来型の陶器よりもより
汚れのつきにくい新素材を
採用している場合が多く、
継ぎ目や隙間、
段差など、
汚れやすい部分を
極力排除したデザイン形状になっています。
ちょっとしたところですが、
家事時間の掃除が楽になる
という意味で貢献してくれますよ。
デメリットについてですが
水圧が弱いという事。
タンクレストイレの
最大のデメリットかもしれません。
タンクレストイレは
水道直結型で水を流す仕組みなので、
タンク式に比べて水圧が弱く、
水の流れが悪くなったり、
詰まってしまうケースが考えられます。
節水の効能もあるのですが
逆にそれが「デメリット」になるケースもあります。
流れにくいという事。
状況に応じて考える必要性の高い部分。
特に建物の2階に
タンクレストイレを設置した場合、
より水を流す力が弱くなる傾向にあるので
注意が必要です。
停電や災害時に
水を流せなくなる事があります。
今あるほとんどのタンクレストイレは
電気を使って
水が流れるようになっています。
ですので、
停電時や災害時になると
自動で水が流れなくなるケースが
考えられます。
手洗い管が付いていないという事。
タンク式のトイレのほとんどは
タンクの上に手洗い管が付いていますよね?
しかし、
タンクレストイレには
基本的には手洗い管が付きません。
トイレの後には手洗い
というのが慣例化されている日本において、
これは意外と大きな問題です。
タンクレストイレを採用するのではれば、
トイレスペースに別途、
手洗いカウンターなどを設置する
必要があります。
収納について。
次に、トイレ空間を計画するうえで
収納について考慮するポイントは、
以下のようなものがあります。
収納場所を決めるという事。
トイレには、
トイレットペーパーやトイレブラシ、
掃除用品など、
さまざまなものが置かれます。
そのため、
収納場所を決めておくことが重要です。
収納場所を決めておけば、
トイレが散らかりにくくなり、
スッキリとした空間に
見えるようになります。
収納家具を選ぶ。
トイレの収納家具は、
トイレのサイズやデザインに合わせて
選ぶことが重要です。
トイレが狭い場合は、
コンパクトな収納家具を選ぶように
また・・・トイレのデザインに合った
収納家具を選ぶことで、
雰囲気を台無しにしない空間を
演出することができます。
収納家具を統一する。
トイレの収納家具は、
同じデザインで統一する事で
スッキリとした
空間になります。
収納家具の色や素材を統一することで、
トイレがより「まとまり」のある
空間になります。
掃除のしやすさについて、
タンクレストイレは
掃除のしやすい点で
メリットだと先に紹介しましたが、
このほかにもトイレ空間を計画するうえで
清掃のしやすさについて
考慮するポイントは、
以下のようなものがあります。
水はねを防ぐ。
トイレは、
水はねしやすい場所です。
そのため、
水はねを防ぐように工夫しておくことが
綺麗や清潔を保つ近道です。
掃除のしやすい素材の選定。
機能性素材を選ぶという事、
トイレの素材は、
掃除しやすいものを選ぶように。
汚れが目立たない、
掃除しやすい素材について
トイレ空間の印象を大きく左右する仕上げ。
トイレ空間の仕上げにこだわる・・・・・。
トイレくらいは
奇抜な壁紙を選んでみたい
トイレ内装だけは他とは違ったテイストにしたい
といった声を耳にします。
もちろん、
それはそれで家づくりの楽しみですし、
個性的なトイレというのもまた、
その家の特徴だったり、
その人らしさにつながっていきます。
だけど、トイレの雰囲気を
大きく左右するであろう壁紙やシート、
タイル等の選び方について
いくつかポイントをあげていきます。
柄の強い仕上げには注意する事。
大前提として忘れてはいけないのは
トイレは広くないということです。
家の中でも1、2を争う
コンパクトな空間ですので、
あまりにも派手で柄の主張などが
強いデザインの壁に仕上げると
空間に圧迫感が生まれ、
狭くて窮屈な
印象になってしまいます。
また・・・壁面だけを派手にして、
床や天井には手を加えないとなると、
全体的にチグハグな
ビジュアルになってしまいます。
機能性の高い空間に仕上げるように。
汚れ防止、カビ防止、
消臭機能、マイナスイオン発生など、
機能性のある素材の使用も
検討してみてください。
表面にラミネート加工が施されているだけでも、
汚れが付きにくく、
簡単なお手入れだけで
トイレを清潔に保つことができます。
おすすめは光触媒の機能がある壁紙などですが
状況に応じて検討する事で
トイレのイメージも掃除の時間も
随分変わります。
前述した通り、
トイレというのは
他の空間に比べると
比較的コンパクトな空間なのですが、
その中に、
トイレ本体、手洗いスペース、
トイレットペーパーや掃除道具などの収納するスペース、
趣味で集めている
アイテムを並べる飾り棚など、
さまざまな要素を詰め込む必要がありますよね。
このように、
トイレ本体や壁紙以外の部分でも
ちょっとしたこだわりを見せることで、
おしゃれなトイレ空間に近づいていきます。
トイレに観葉植物を置くのもおすすめです。
小さな植物をひとつ置くだけでも、
空間の雰囲気が変化しますから。
日光が当たらない場所の場合は、
フェイクグリーンでも良いかと思います。
フェイクグリーンの中には
抗菌効果や消臭効果のあるアイテムも
ありますからね。
そのほかには、
趣味で集めている雑貨を並べてみたり、
デザイン性の高いカレンダーや時計、
お気に入りの絵画やポスター、
などを飾ってみるのも
良いかと思います。
トイレは生活する上で
なくてはならない空間ですので、
他の間取り同様、
自分たちのこだわりを
しっかり表現しながら、
快適なトイレ空間を目指すことで
暮らしの彩も上質に変化していきますから。
やまぐち建築設計室 建築家 山口哲央