ブログ・コラム
2023.10.21
建築にはいろいろな意味を込めて「チカラ」が存在していると思います。程よく喜怒哀楽に寄り添いつつ暮らしを包み込む存在であるように。
- カテゴリ:
- 和モダン思想
建築にはいろいろな意味を込めて
チカラが存在していると思います。
※越前和紙を採用して光壁のイメージを再現した障子+障子欄間
建築のチカラ。
力それは「言葉の力」にも
通じているように
思います。
※越前和紙を採用して光壁のイメージを再現した障子+障子欄間
人は過ごす空間の差で
時間の移ろいや
気持ちの高揚など
様々なシーンが生み出されます。
このブログを読まれている
皆さんも「覚え」や「経験」が
あるのではないですか?
図書館やレストラン
cafeやホテル、旅館や・・・・・家。
空間の構成や用途によって
居心地と気分、
明るさや暗さによって
それらも時間の流れも
変化したりしませんか?
一人の時と二人の時。
複数名と過ごしている時や
時間帯での差。
人間が自分の行動や
選択を決められるという
自由意志は、
脳が作り出した
一つの「幻想」であるという説が存在し、
脳科学の世界では「言葉」には
「幻想」を生み出す力があり、
人々はその「幻想」に
一喜一憂して「社会を動かす」そうです。
建築も同様「幻想」を
効果的に見せる
存在でもあると同時に、
人々の行動を
誘導する力を持っています。
この「建築のチカラ」は、
機能的な意味も
併せ持っています。
勿論その「逆」のチカラも存在します。
建築の力や言葉のチカラは、
時として権力者に
プロパガンダとして
利用されたりする側面を
持ち合わせている
双刃の剣のように
表現される事もあります。
だけど実質的には、
人々の夢の実現や暮らしの安定に
寄与することを目的として
創造を繰り返されているものです。
住まいでもそうだと思います。
暮らしに寄り添いながら
出来るだけ自然体で
だけど喜びがあふれるような
暮らしの空間となるように。
そして人の暮らしと
喜怒哀楽を
程よい距離感をもって
包み込み
日常を支えるような
建築のデザインのカタチを丁寧に。
やまぐち建築設計室 建築家 山口哲央