ブログ・コラム
2023.11.10
間取りと暮らし、生活の環境をデザインから考える過ごしやすさとキッチンでの収納計画、開放感を持ちつつLDKの雰囲気と収納、家事時間と寛ぎの時間のバランスをどのように考えるべきか?。
- カテゴリ:
- キッチン 収納
住まい造りの計画色々と考える
間取りと暮らしの工夫について・・・・・。
※オープンスタイルのLDK(キッチンレイアウトはペニンシュラ型)
例えば、LDKスペースで
オープンスタイルの空間を
計画する際に、
キッチン周辺の見え方で
雰囲気や広さもそうですが
居心地も随分変わります。
勿論・・・大切なキッチン周辺での
使い勝手も。
キッチン吊り戸棚など、
セレクトと注意点について
少し書いてみたいと思います。
※オープンスタイルのLDK(キッチンレイアウトはペニンシュラ型)背面は吊戸棚付きのキッチン収納
収納スペースを
拡張する役割を持つ吊戸棚。
キッチンはインテリアの要素でもあり
家事を行う作業場としての
役割もあり
様々な側面を持ちつつ
暮らしの心地に大きく関わる
要素にもなります。
※キッチン周辺からの眺め
そういった意味で
間取りや住まいの計画時には、
キッチンを含めた
LDK全体のコーディネートを
キッチンを使う場面についても
調理の際の事、
配膳や片付け、
日頃の手入れ等も含めて
設備機器類の「キッチンショールーム」や
以前に設計監理を行って
引き渡し・引っ越し済みで
既に住まい手さんが
住まわれている家に
ご案内させていただいたりしながら
お話していくことも多々あります。
つまりキッチン関連の相談を
憧れだけではなくて
どれだけ実際の暮らしに
密着させて考えるのかで
暮らしの心地良さと
利便性のキープが出来るのかが変わっています。
そのなかで
「とにかく物が多いので収納はできるだけ多く」
「食器の数が多くて今の収納では収まりきらない」
という家造りの
要望や意見をよく耳にします。
実際、間取り計画前の
アンケートなどでも記載されていたり。
キッチンにおける
収納を増やすという意味で、
キッチン本体上部、
あるいは背面に
吊戸棚を設ける事は非常に有益です。
だけど結論から言えば、
特にオープンキッチンの場合、
吊戸棚は「無い」ほうが
断然すっきりと見えます。
※暮らし方と価値観に対してデザインを提案します。
基本的にカウンターの
高さよりも上に
収納を作らない方が、
キッチンは俄然きれいに
見えるというのは
否めない事実です。
なのでこのblogなどでも書いている
パントリーは有効なのです。
でも・・・吊戸棚の導入がダメ、
という訳ではありません。
そのデザインやサイズ、
素材によっては
キッチンを魅力的に
演出してくれるものにもなりますし
収納の使い勝手や
家事の効率が良くなるケースもあります。
なのでそれは使う人の価値観や
実際の家事の方法や
調理時間の使い方などで変わります。
味の好みや趣味などもそうですが
皆さんそれぞれ違いますよね。
家での収納計画や
家事などの計画も同じことです。
便利さや使い勝手
収納のしやすさが
全員に一致している訳ではな無くて
それぞれの家庭環境や
暮らしの内容に応じて
オーダーメイドで設計する訳です。
住まい手さんの家に対する
好みも含めて・・・・・。
※オープンスタイルのLDK(キッチンレイアウトはペニンシュラ型)背面は壁吊戸棚付+カウンター付きキッチン収納
話しをもとに戻して
キッチンの吊戸棚の件ですが
吊戸棚がアイレベル(目線)に
位置するものであり、
視界に入りやすいことで
空間に入った時に
一番目に留まりやすい
フォーカルポイントにもなります。
※オープンスタイルのLDK(キッチンレイアウトはペニンシュラ型)背面は壁吊戸棚付+カウンター付きキッチン収納
良くも悪くも
存在感が出ることにもなる吊戸棚は、
その取り入れ方によって
キッチンやLDK全体の印象も
大きく変えるものとなります。
吊戸棚はディスプレイと考える。
空間を広くとる、
あるいは感じるためには、
視線の向かう先に
遮るものがないほうが
良いのは必然です。
※キッチン周辺からの眺め
一方で広い空間は
そこにメリハリが感じられないと
空間が間延びして見える
リスクもはらんでいます。
そのようなシチュエーションで
役に立つのが「フォーカルポイント」を
計画する事です。
※フォーカルポイントとは、
パッと目を引く場所、
視線が集中する場所、
という意味で使われています。
特にオープンキッチンの場合、
ダイニングスペースとの繋がりから
ペンダント照明が
その役割を果たすことも出来ますが、
キッチンの背面収納側の壁に
シェルフを取り付け、
そこをディスプレイスペースも兼ねた
収納場所とする事で
「より遠く」
「より高い位置」に
視線を誘うことができます。
遠くに視線を向けることは
同時に空間全体を
視界に入れることにも繋がります。
そのことで空間をより広く、
印象的に感じさせてくれます。
シェルフは壁に固定するタイプ、
つまり壁面に
直接取り付けられているものが
一番すっきり見えますが、
置くものによって
高さを変えたい場合などは
棚の高さを変えることができる
棚柱を壁に
取り付けるのも有益です。
また、
フレームを天井から吊るタイプの
オープン棚であれば、
背面の壁だけでなくて
ペニンシュラ型や
アイランド型のオープンキッチンの
上部に取り付けることも可能です。
空間が広いLDKであれば、
対面キッチンの上部に取り付けて
緩く空間を区切る、
例えば飲食店の
オープンキッチンのような
雰囲気を演出する事もできます。
埃や汚れが気になる場合は
扉なども使用する
シェルフを利用した
ディスプレイ兼収納は
空間の奥行き感を作り、
キッチンを美しく見せてくれます。
同時に避けられないのが
埃の滞留や油煙が
降りかかること・・・・・。
これらをマメに掃除していくのは
手間が掛かります。
そこで有効なのが
扉を使用した箱型の
吊戸棚を採用することです。
扉にすることで
ディスプレイ効果も高めつつ、
視線を奥に抜くこと=空間の奥行き感を出すこと
も可能です。
※オープンスタイルのLDK(キッチンレイアウトはペニンシュラ型)背面は家具収納+カウンターディスプレイ収納
ベストな吊戸棚本体と
取り付けの「高さ」は
一般的なもので言うと、
本体の高さは500ミリ
600ミリ・700ミリ・900ミリといった
規格で展開されているものが
多く見られます。
また、本体の高さと合わせて
重要なのはその取付けの高さです。
※キッチン周辺からの眺め
扉付きの吊戸棚でも、
オープンタイプの棚でも、
その取り付ける
高さの位置によって
使い勝手も
見た目の印象も変わります。
使いやすさという意味では、
吊戸棚の最下部が
目線より10~15センチ下になると、
モノの出し入れが
しやすくなる傾向があります。
ここから考えると
キッチンスペースの天井の高さも
加味しながら
吊戸棚の高さは選ぶことになりますが、
最近では「天井目一杯」までの高さではなく、
使う人が手の届く高さで
本体も取り付け位置を
設定することも多くなっています。
吊戸棚上部と天井の間に
あえて余白を作ることで、
空間の奥行き感と
使い勝手のバランスを
上手く確保することができる訳です。
大切な「素材感」。
吊戸棚はいわゆる「フォーカルポイント」と
なりえますので、
その素材感も重要です。
キッチン、ダイニングや
リビングか全体での
意匠調整は欠かせませんから。
ダイニングテーブルや
ソファをモダンなもので揃える場合には
キッチンもそこに付随す
る吊戸棚もモノトーンをベースに。
木の質感を生かした家具で
LD(リビング・ダイニング)を
コーディネートする場合は、
キッチンの見える部分も
質感や素材を同様に揃えることで、
空間全体に統一感が生まれます。
さらには吊棚を取り付ける部分の
壁面の仕上げ素材、
照明のテイストなどこれらが
調和することでより
居心地の良いLDKが
生まれるはずです。
また、新築や
家のリノベーション以外のケース、
例えばキッチン周辺での
リフォームについては
キッチン単体に限らず
その空間全体の調和や、
ダイニング・リビングの
家具とのバランスというところまで
トータルで考える事で
その後の使い勝手も
暮らしの心地も随分上質に変化します。
そして収納について
何よりも重要なのが
それは本当に全て必要なものなのかどうか?
ということ。
ものが多くて困っている、
という場合は、
まずはそれらが
本当になくてはならないものか
どうかを考えて
数を減らす事も視野に考える。
使う頻度や使った形跡など
様々な意味から
家造りをきっかけに
そういうところも見直す。
これが暮らしやすくする
基本だと思いますよ。
勿論生活全般に対しても
どれだけ暮らしの事を加味した
住まいの計画になるのか?。
暮らしの価値を見直す事を大切に。
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