ブログ・コラム
2023.12.05
壁面を使ったインテリア収納家具をデザインとして採用する際に考えておくことで空間・部屋のイメージをより良くまたホテルライクな空間となるようなLDKになる選択肢と圧迫感の解消提案。
- カテゴリ:
- 物入・クローゼット・収納・納戸・整理整頓
空間(部屋)が
重たく見えない壁面収納は
どのようなものか?。
※インテリアショップ・Molteni&Cショールーム:壁面収納家具
見た目にもすっきりとする
壁面へ設置する収納は、
常に人気の高い
収納方法のひとつですし
圧倒的な収納力が
その最大の魅力です。
本来は使うことの少ない壁面が
収納スペースとして
使用できることで
収納しきれないものが
一気に片付きますし
空間もスッキリするうえに、
家族が集まる場所ということで、
様々なものが多数混在する
リビングダイニングには
大容量の壁面収納があると
物が片付けやすくなり
生活感もスッキリして
ある意味安心できます。
一方で壁面収納を
採用すると
いわゆる部屋が
重たく見えてしまうのでは?
という危惧もあります。
収納家具というものは
当然のことながら
物を収納するのが目的であり、
ある程度の奥行を要します。
壁一面の収納家具は
その分だけ壁全体が
せり出してくることと
同じであり、
それが圧迫感に
繋がるためです。
腰高などの
高さを持たない
収納家具と比較して、
高さのある収納家具は
それだけで圧迫感をつくる
要素があります。
しかし、
工夫次第では
その圧迫感を
軽減することは可能で、
それは壁面収納でも
同様です。
壁を「見せる」ことで
圧迫感の軽減に
つながるという事。
壁面収納というものには
様々な仕様・形状が
想定できます。
できるだけ収納量を
多くと考える場合、
壁から壁まで、
そして天井や梁下まで
隙間の無い収納とすることで
最大限の収納効率を
獲得できると考えるのは
自然なことです。
しかし、
これが部屋や空間の
圧迫感を生む
最大の要因となります。
その圧迫感を
軽減するには
コの字型やロの字型、
あるいは吊戸棚を採用し、
後方にある壁を
見せることが
ポイントになります。
壁面収納は少なからず
奥行きがあるもので、
後方の壁が
見えるデザインとしたところで
家具設置後の
実際の空間の広さは
変わりません。
ですが、
後方の壁が
視認できることは
壁面収納の奥に
さらに空間が広がっている
という錯覚を与えてくれます。
例えばリビングの壁面収納で
よくあるテレビボード
一体型のものであれば、
テレビの後方の背板を排除し、
後方の壁が見えるようにする。
その際には
テレビの設置スペースを
テレビのサイズ
ギリギリにしてしまうよりも
上下左右20~30cmほどの
余白を持たせることで
見た目にも余裕ができ、
スッキリとした印象になります。
あるいは、
あえて天井ギリギリまでの
高さにせず
収納家具の上部と
余白を作ることで
少し距離をとると
後方の壁が見える。
左右をあえて10~15cmずつ、
あるいは
左右どちらかを
空けておくのも良いですし、
書棚などの場合は
思い切って背板全てを
排除するのも良いかと思います。
上下左右、
あるいは収納内部で
その後方にある壁を
見せることは
空間の奥行き感を
損なうことなく、
圧迫感の軽減に
大きく寄与します。
仕様やデザインで
スッキリ見せるという事。
デザインや
仕様の選択でも圧迫感を
軽減させることが
できます。
まずは、
上下の奥行の違いで
立体感を出すことです。
人は平面的なものが
迫ってくると
圧迫感を感じやすくなる
といいます。
壁面収納に関して言えば、
上から下まで
同じ奥行きのものよりも
上台・下台に分けて
下台の奥行を
深く確保させることで
立体感の演出=圧迫感の軽減に
つながるというわけです。
例えばテレビボード一体型の
壁面収納をリビングに
設置する場合、
テレビ台となる
下段の収納部の奥行を深く、
それ以上の上部の
収納の奥行を
浅く設計します。
食器棚などでも
同様のことは言えます。
あるいは仕様に
工夫を凝らすことも
一手です。
例えば収納扉には
ガラスを使用することで
見た目の軽さと
抜け感を出すことができ、
全体にスッキリと
見せることが
できるようになります。
ガラスの持つ
反射性・透過性が
空間内外の光を
取り込むことで
明るく開放的な
印象を与えることもできます。
ガラスを採用する際には
黒などの透過性の
少ないものでなく、
透明性の高いものを
採用する方が
軽さを演出する
という手段においては
有効です。
逆に透明性が
高いということが
内部のものが
全て見えるので
整理された収納が
求められます。
それが難しい場合は
曇り仕様の
フィルムを貼ったものや
黒をはじめとした
透過性の低いものを
選定することで
問題を解決できます。
透明性は無くなりますが
本体の素材感と
ガラスのそれのギャップが
良いメリハリを演出し、
やはり立体感の創出に
一役買ってくれるはずです。
視線によく入る位置に
ガラスを採用しておくことで
印象を大きく変えることが
出来るようになります。
色で圧迫感を抑える。
壁面収納は
壁一面に設置するため、
選ぶ材質や色によって
空間の印象に
大きな影響を与えます。
重く見せないための
ポイントは
部屋の壁や床、
扉と近い色を選ぶことが
一番の近道です。
空間のメリハリで
デザインを施すこともありますが
壁や床、扉に
近い色を選ぶことで
その場に一体感が生まれ、
圧迫感を軽減する事もあります。
また、暗い色は遠く、
明るい色は近く感じるといった
視覚効果を取り入れる
そんな方法も良いかと思います。
シート材やメラミン材は
平面的に見えることが多く、
いわゆる「のっぺり」して
見えてしまうことから
チープ感や圧迫感を
感じやすくなります。
無垢材などの木目や
凹凸を見た目と触感で
感じることができれば、
そこに奥行感・立体感も
生まれるので
お勧めの素材と言えます。
このように、
収納性は格段に向上しながらも
空間を重く、
狭く見せてしまいそうな
壁面収納も
様々な工夫で
その圧迫感を軽減させることができ、
そのメリットを
享受できるようにもなります。
空間に対する選択肢を
どのような価値観で
デザインを考えるべきなのか?
過ごし方の価値を
丁寧に考えてみませんか?
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