ブログ・コラム
2023.12.18
家を建てる、新築するデザインの方向性に形づくりの理由となる気持ちを誘発する設計の根拠を丁寧に、間取りや外観を心地よく感じる原点を提案するデザイン提案の意味。
- カテゴリ:
- インテリア デザイン 家具
日常の生活では
素通りしてしまうような
気にも留めないデザインの存在が
特別になる事もあります。
それは窓から見える風景だったり、
いつもの通勤路の街空間だったり、
聞きなれた
音楽だったり・・・・・。
目に見えるデザインと
見えないデザインのカタチの存在。
そんなささやかなものたちを
もう一度あえて注視してみると、
そこには例えば
自分の好きな色や音、
その組み合わせ、
忘れていた思い出や
新鮮な驚き、
楽しい夢が立ち上ってきたり
することがあると思います。
つまり、
日常に新しい価値の質や解釈が
与えられたり、
豊かさの指標を更新するような、
そんな何かの
きっかけになるものが
デザインであると考えています。
小物の微妙に重い重量感にと思い、
薄くてスタイリッシュな
デザインが実は逆に使いにくくて、
重くてずんぐりした形状の方が
手にしっくりくると感じたり、
古いイタリア車の乗心地の悪さによる
不思議な優越感がと感じたり・・・・・。
と、つまりそういう事です。
デザインとは
決してただ形を作ったり、
装飾を施したりする事ではありません。
そのものの成り立ちや必然性、
素材の特性に基づき
柔軟に熟成され、
時に整理されてゆくものです。
そのもの自体の
わかりやすさも大事です。
たとえば住宅の屋根は
どこでも常に3角形である必要はなく、
その場所や条件、
住まい手さんの個性や
価値観などによって
さまざまな「カタチ」での捉え方が
ありえるはずです。
そこまで立ち戻って
考えることがデザインです。
デザインとは決して
新奇さや奇抜さなのではなくて、
日常の中で
気がつかなかったものや感覚、
風景に愛情あふれる視線を
投げかけるきっかけ、
日常の出来事に形を与え、
ちょっとした彩を与える
ある種の落ち着きやユーモア、
好奇心を刺激する
スパイスのようなものだと
考えています。
建築のデザインも然りです。
そこから見える風景、
視線や風の抜け、
家族、ゲストとの
視線の交わりかた、
コミュニケーションのあり方、
そこでの出来事、
行動や行為の誘発・・・・・。
例えばキッチンで
調理する際の
気持ちよさを生み出すデザインだったり
風呂上りにビールを飲む
心地よさを生み出す為のテラスだったり
オーナーのスタイルを
さりげなく演出する家具だったり
落ち着きを生み出す照明だったり・・・。
そんな、
理屈や言葉では
簡単に表現しきれないものや、
今まであった
潜在的な質をあぶりだすように、
そこでの出来事に物語と形態を与え、
生き生きとした状況を
獲得することが
建築の空間を
デザインするという事
なのではないかと思います。
今まで無意識であったものを
有意識に変換できれば
最高に心地よい時間を
過ごすことが出来ると思います。
建築は単なる形態の新奇さや、
利便性の追及などだけでは
決してありません。
極論ですが、
建築とは形をつくる事であると同時に
出来事やスタイル、
感情を創造することだと考えています。
建築空間は
日々の活動に新しさと
楽しさもたらすような仕掛けとして、
また豊かさを包み込む
流動的で動的、
おおらかな器として
デザインされるべきであると
考えています。
そして、
必要なものに対して
もっともふさわしい形を
もっともふさわしい手段として、
あるようにあるがままに
楽しく表現されるものだと
考えています。
いわば複雑に
混在しているものやスタイルを、
還元的に整理しきる事だと
考えています。
空間に意図が宿る心地良さを
イメージしてみませんか?
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