ブログ・コラム
2024.02.09
空間のデザインが変化する色を考える意味、質感もそうですが色の雰囲気とシステムを考えると意識も心地も良い意味で落ち着きます。
- カテゴリ:
- インテリア デザイン 家具
空間のデザインが変化する
色という意味。
※外壁色塗の為のサンプル検討中
色を測るということ。
僕にとっては、
建築家が実測せずとも
大体の寸法を
把握出来ることと
似ているかも知れません。
ですが、
長く経験を積んできても
色は天候や時刻、
つまり光の具合によって
見え方が異なりますし、
素材のテクスチャーも
換算して正確に色を言い当てることは
そう簡単なことではありません。
やはり対象物と
色見本を併置した上で、
色相・明度・彩度の
微妙な差異を
出来るだけ正確に
読み取れる状況をつくることが
必要です。
ですが、
どうしても対象物に近づけない時も
もちろんあります。
高層の建築物や
屋根等の色彩を測るには
ちょっとしたコツが必要です。
屋根や傾斜のある場所
色票と屋根の傾斜角度を合わせ、
対象物に光の当たっている状態に
出来るだけ近い状況下にし、
色を見ます。
瓦やタイル等は色むらが大きく、
中心色を読み取るのには
慣れるしかありませんが、
通常屋根色は
直近で見ることはありませんから、
歩行者の目線で
どの程度の色に見えるのか?
ということが
把握できれば良いと考えています。
それでも、
実際の屋根色を正確に測りたい
場合もあります。
そういう時は
無理やり屋根に登って
ということを
するわけにはいきませんから、
出来るだけ
対象物に近づける場所を
根気よく探します。
金属の鋼板等はある程度
種類が限られますから、
後で見本を取り寄せて
色を確認する場合もあります。
きちんと色票を併置し、
測色結果をカメラに収めたり。
伝統的なまちでは
瓦や外壁を変える際、
真新しいものは
既存のまちなみに馴染まない
という理由から、
あえて屋外に晒して保管し、
適度に風化させている
例は多く見られます。
本来、
景観というのは
そうしてそのまちに住む人達が
工夫をしながら
繋いできたものです。
歴史あるまちなみには
その環境が培ってきた
景観形成のための
作法が数多く残されています。
その土地にある
素材や色彩には
様々な情報が刻み込まれているのです。
伝統的な街並みの再生や保存。
そして色には構造があると
考えています。
古い町並みでもそうですが
新しいまちも
丁寧に色を読み込んでいくと、
やはりそこにはある「システム」が
見え隠れしています。
基調色は様々な他の
視覚的要素(規模や形態、意匠、表示物)に
埋もれているに過ぎない、
と考えることが出来ます。
環境色彩デザインの
色彩設計論理は、
景観構成要素を
丁寧に分解し再構築すること、
といえるのかも知れません。
本格的な色調査の際は
色を測る人、
その数値を書きとめる人、
写真を撮る人と
分担していますが、
町並み保存等ではない場合
普段は自分一人で
3つの作業をこなします。
カメラを片手で
操作するのは
中々大変ではありますが。
色と暮らしと雰囲気には
様々なシステムと
感度が繋がっているものだと思います。
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