ブログ・コラム
2024.07.08
過ごし方と生活環境を考える間取りとインテリアの計画、家具と建築空間の広さ、間隔、寸法という環境づくりの考え方。
- カテゴリ:
- 家具と暮らしとインテリアコーディネート
ダイニング空間のスタイルと
各種寸法について。
家具と空間の関係性が気になる
LDKスペース。
単純に建築空間だけではなくて
過ごし方や住み方
ライフスタイルによって
その空間構成は随分変わりますし
生活環境を整える
という意味でも
間取りと共に
どのような状態をつくりだすべきか?
という考え方は大切。
一つの考え方として「サイズ感」。
これは本当に重要で
家事動線や生活動線と呼ばれる
人の移動を考える際にも
用いる構成要素で
居場所に関する「寸法」を
デザインするという事。
その寸法(サイズ)によって
居心地やライフスタイルも
質が変わります。
ダイニングルームにも
いろいろなスタイルがある。
ダイニングテーブルを買いたいけど、
適切な寸法はどのくらいなのか?。
というお悩みも
よく「問い合わせ」からの
ご相談をいただきますので
今回は、
ダイニング空間の
スタイルと各種寸法(サイズ)について
少し書いてみたいと思います。
ダイニング空間は
食事をする場所と同時に、
家族の団らんの場所にもなる
大切な空間です。
住む人(住まい手)の
ライフスタイルに合わせて
スタイルを検討したり、
使いやすい寸法にすることで
居心地の良さも変わってきます。
各室の計画と寸法で
ダイニングの計画。
ダイニングルームは
基本的に食事を行うための
空間ですが、
居住者のライフスタイルによって
キッチンやリビングとの
空間と繋がったり
離れたりという
関係性を持ちます。
特にキッチンとは
配膳や食器の片付けなどの
作業を行うことなどから
強い結びつきがあり、
この結びつきパターンは
大きく3つの分類できます。
オープンタイプ。
オープンタイプとは、
ダイニングとキッチンの間に仕切りがなく、
一つの空間となっているタイプです。
キッチンとダイニングが
完全に同じ部屋、
一体の空間となるため、
コミュニケーションが
取りやすいという
特長があります。
また、
仕切りのある空間と比べると
広く開放的に感じられるため、
近年はアイランドキッチンや
ペニンシュラキッチンを中心に
理想の空間のイメージを
持つ人も増えています。
ペニンシュラキッチンのある
オープンタイプの間取り。
ペニンシュラとは「半島」を
意味する言葉で、
四方が壁に接していない
アイランドキッチンを
片側だけ壁に付けたもの。
見た目はオシャレで
開放感もありますが、
オープンであるが故に
キッチンがよく見える
状態となるため、
日頃からの整理整頓や
清掃を心がける必要があります。
またキッチンで出る匂いも
ダイニング空間に
流れてしまうのもデメリットです。
※換気計画や換気扇の能力と
部屋容積によってもて結果は変わります。
生活感が出ても
大丈夫なケースと
そうでは無いケースもあるので
全体の計画性が大切になります
セミオープン(セミクローズド)タイプ。
セミオープン (セミクローズド)タイプとは、
完全なオープンキッチンとせずに
キッチンキャビネットやハッチ、
カウンター等で仕切る
又は家具などで
適度に空間を仕切ったイメージ。
オープンタイプに比べると
開放感は劣るものの、
それでも十分に
コミュニケーションを取りやすい事や、
開放しすぎていたキッチンを
適度に隠すことで
手元や家事空間等を
見せないようにできる
メリットがあります。
デメリットは、
オープンタイプと同じように
キッチンからの匂いが
ダイニング空間に流れてしまうことが
挙げられますが、
窓や可動間仕切りなどを
設けることで
防ぐことができます。
セミオープンタイプでは、
キッチンから直接配膳して
そのまま食事が取れる
「キッチンカウンター」を
設けたスタイルも
家事のやりかた等と連動するので
間取り検討のポイントにもなります。
キッチンで立っている人と
カウンターに座っている人との
アイレベル(視線の高さ)の差が
大きくなる場合、
ハイスツールを使ったり、
床の高さを変えたりして
アイレベルを近づけることがあります。
クローズドタイプ。
クローズドタイプとは
キッチンが個室となっていて、
ダイニングとは
完全別室となっているタイプ。
調理に集中できたり、
匂いがリビングに流れにくい、
生活感が出やすい部分を
隠せるなどのメリットがあります。
デメリットは、
子どもの様子が見られず、
ダイニングやリビングにいる家族と
コミュニケーションが
とりづらいという点になりますので、
現在ではそれぞれの
良い点を組み合わせつつ
住まい手さんの
価値観を汲み取り
セミオープン (セミクローズド)タイプも
選択肢として
提案させていただく事も
あります。
ダイニング空間に関わる
各部寸法の目安。
食事に要する1人あたりの
最低寸法。
ダイニングテーブルに座って
食事をとるときは、
あまりに狭いと身体を動かしづらく、
快適な食事時間を
送ることが出来ません。
食事に要する
1人あたりの最低寸法は、
幅600mm前後、
奥行き350〜400mm前後が
目安となります。
これが2人なら「×2」、
4人なら「×4」をすることで、
最低寸法が求められます。
この寸法値は
あくまで最低寸法。
実際はこれよりも
大きなサイズを選ぶことで
快適さは向上し
ますし、
食事の際、
食器類の並べ方や
食事のスタイルにより
変化しますのでご注意を。
また円テーブルを
使用する場合は、
2人で600mm、
4人で900mmといった
目安はありますが、
1人で使用する場合でも
直径をあまり
小さくすることはできません。
2人で使うにしても
直径900mm(90センチ)は
欲しいところ。
一般的に販売されている
円形(ラウンド)テーブルも
900mm〜1,200mm程が主流です。
テーブルと背後の壁との距離。
テーブルに着席、
離席するために
最低限必要なテーブルと
背後の壁との距離は「600mm」で、
スムーズな動作で行う場合は
「800〜900mm」は
欲しいところです。
皆さんも色々なシーンで
経験あると思います。
また人の移動の際の動作は
個人差も大きいので
自身の移動する際の動作は
客観的にも分析する事で
パーソナルエリアの考え方や
居心地の基準値にも反映できるので
家具ショールーム等へ
ご案内させていただいた際には
実際に座って立っての
動作を行っていただくように
しています。
また車椅子を使って
テーブルを使用する際は、
最低「950mm」は必要になります。
テーブルに着席している人の
背後を通過するためには、
椅子に座った人の
奥行き(400〜500mm)
に対して通路スペース(600mm)以上は必要です。
物を持って
背後を通過するときは
「750mm」程度の通路スペースを
確保するとよいかと思います。
ダイニングテーブルの寸法や形は、
部屋の通路が
狭くなりすぎないよう、
小さ過ぎないよう、
バランスを取って
選ぶことが大切なんです。
テーブルの高さ
ダイニングテーブルの高さは、
概ね「700mm以上」が一般的です。
近年では「750mm前後」の
高さも見られ、
海外では靴を履くことから
「800mm」ほどの高さの
ダイニングテーブルも
存在します。
ダイニングテーブルの
天板の高さから「差尺(さじゃく)」を
引くことによって、
座りやすい高さの
椅子を選ぶことが出来ます。
差尺とは
テーブルの天板から
椅子の座面までの寸法のこと。
皆さんも経験あるのでは?
座りやすさ、
使いやすさの差で
テーブルとイスの
関係性の違いでの座り心地での違和感。
それによって姿勢も
変わりますし
疲れも変わりますから。
和室用の、
脚が短いテーブル「座卓(ざたく)」を
使用するときは、
腰を下ろした状態や
正座にも合わせられる
300〜350mm前後の高さのものが
多いです。
リビングで使われる
テーブルは
400mm前後のものが多く、
座卓はそれより
全体的に低いという事。
それらのサイズ感覚(寸法)を踏まえてを
部屋の広さや位置関係を
考えるだけで随分と
生活環境の改善が出来るようになります。
家具のレイアウトや
新築、リフォームなどでの
部屋サイズの最適性
またはわからないことや
分かりにくい事があれば、
ぜひお問い合わせより
ご連絡ください。
過ごす空間の質の向上は
暮らしを変化させますから。
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