ブログ・コラム
2024.07.18
動作空間と単位空間の違いとデザインの奥行き設計、建築計画で重要となる空間比率を人と暮らしを分析して間取りという平面計画以外にも立体的空間把握と余白のデザインを描き起こすという事。
- カテゴリ:
- 設計の事・デザインの事
動作空間と単位空間の違い。
住まいの計画、
ゾーニングで動線計画を丁寧に考えると
暮らしはもっと楽しくなる。
動作空間と単位空間。
一定の場所にいる人間が
手足など身体各部位を
動かすために必要な
空間領域のことを
「動作域(どうさいき)」、
または「作業域(さぎょういき)」と呼びます。
この動作域(作業域)こそが、
人間の居住空間の原点となります。
しかし実際の生活空間は、
人間の身体の動きだけでは
成り立ちません。
例えば「洗濯」という作業を行う場合は、
洗濯機を操作する人と
洗濯機そのものが必要になりますし、
洗濯機を設置するには
洗濯機と水道管を
ホースでつなげるスペースなど、
周囲のゆとり空間を
考慮しなければなりません。
このように、
動作域(作業域)に
家具や設備機器などの寸法と共に、
ゆとり空間も加えた領域を
動作空間と呼びます。
また、
いくつかの動作空間が
集合して1つにまとまると
生活行為の場となりますが、
これを「単位空間(たんいくうかん)」と呼びます。
人体寸法を知らずに
動作域(作業域)は求められないし、
動作域を知らずに
動作空間を
求めることは出来ないという事です。
単位空間も同じです。
たとえば「寝室」という
単位空間は、
ベッドを置いた
「就寝のためのスペース」、
クローゼット収納などの
「収納のスペース」、
場合によっては
ドレッサーを置いた
「化粧するためのスペース」など、
いくつかの動作空間が集まって
構成されています。
また「ダイニング」という単位空間では、
ダイニングテーブルや
チェアを置いた
「食事のためのスペース」、
食器やコップを収納する
カップボードなどを置いた
「収納スペース」という
動作空間が集まって
構成されています。
建築的な意味での
区切られた1つの部屋のことは
「室空間(しつくうかん)」と呼びます。
ホテルライクをモチーフにしたトイレ空間の設計事例
「寝室」とか「トイレ」等の事です。
「リビングダイニング」も
建築的な意味では
1つの室空間ですが、
単位空間としては
「リビング」と「ダイニング」の
2つから成っているんです。
写真は「リビングダイニングキッチン」の空間
写真は「リビングダイニングキッチン」の空間
写真は「リビングダイニングキッチン」の空間
こちらも建築的な意味では
1つの室空間となる
※もしそれぞれが壁で仕切られた
単独の部屋ならば、
3つの室空間という事になる。
写真は「リビングダイニングキッチン」の空間
同様に、
単位空間としては
「リビング」、
「ダイニング」、
「キッチン」の3つから
成り立っています。
写真は「リビングダイニングキッチン」の空間
室空間の配置。
居住空間に必要な
室空間を適切に配置していくと、
一戸の住宅が成り立ちます。
この室空間の配置計画のことを
「間取り(まどり)」もしくは、
「平面計画(へいめんけいかく)」と
呼ばれます。
間取りという言葉については
建築物の計画段階で、
内部の部屋や
区画の配置を計画する行為が
もともとの意味なんですが、
今では
完成した建築物の
内部の部屋や区画の配置の事を
意味する言葉として
使われることの方が一般的です。
間取りを決めるために、
室空間を機能や用途別に
領域分けすることがありますが、
この領域のことを「ゾーン」といいます。
例えば、
リビングやダイニングの
家族が集まる場所は
「パブリックゾーン」、
寝室などの個室は
「プライベートゾーン」、
キッチンや浴室、
トイレなどの生活に必要な場所は
「サービスゾーン」や「サニタリーゾーン」、
通路や廊下のスペースは
「移動ゾーン」とか「通路ゾーン」と
呼ばれて分類されます。
また、
サービスゾーンは
水を使う場所であることから
「水回り(みずまわり)」とも呼ばれます。
このような
ゾーンの位置関係を決める
作業(配置計画)のことを
「ゾーニング」と呼びます。
動線計画。
間取りやゾーニングを行うにあたって、
動作空間を
ただ寄せ集めるだけでは無く、
動作空間相互の
位置関係の調整を行うことが
必要となります。
この調整で
最も重視しなければならないのが
動線計画です。
動線とは、
建物の中を人が自然に動く時に
通ると思われる
経路の事。
設計の際に
居住者の行動パターンを考慮して、
安全で分かりやすく、
また移動空間が
適切となるように
計画を練ることが重要です。
このように、
設計において
動線を特に考慮して
計画することを
動線計画といいます。
家事動線は
キッチンを中心に
ダイニングへの配膳がしやすく、
洗濯室や勝手口へスムーズに
動けると使いやすい。
生活動線は
長すぎると廊下の面積が増えて
居室が狭くなるので
注意が必要。
高齢者がいる場合は
動線を短くしたり、
階段や段差への
配慮を行う事が重要となります。
2階に応接間や
リビングダイニングがあるときは
「来客動線」が
少し長くなります。
そのような際は
廊下や階段に
アートや小物を飾る空間を
設計する事で、
その空間を通る際には
住まい手自身もそうですが
来客の際にも
お客様をわくわくさせながら
お迎えすることができます。
動線計画は
主に平面での計画ですが、
インテリア計画では
動作効率や
視線の高低も考慮した
立体を意識した
計画が重要です。
例えば、
キッチンから直接配膳して
食事を取る事の出来る
カウンターテーブルは、
キッチンに立っている人からの
配膳のしやすさや
お互いの「アイレベル(視線の高さ)」を
揃えるために
椅子と共に高さを上げて設計する
という事があります。
キッチンに立っている人との
目線を合わせるために、
高めの椅子と
カウンターテーブルを
採用するという事もあります。
目線の高さを合わせて
コミュニケーションを取ることは、
お互いの過ごしやすさを考える際には
とても重要だと言われています。
暮らしの環境によって
過ごしやすさの意味も
変わってくるという事は
皆さんも経験あるかと思います。
過ごす環境と居心地の関係性。
暮らしについて
様々な価値観を大切に考えながら
生活の意識を
どうイメージするべきなのか?。
過ごし方のイメージと
環境の関係性を丁寧に。
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