近年の住まいづくりにおいて、
間取りの考え方も
ある意味では
原点回帰している部分もあり・・・・・。
※和を意識した空間の構成に暮らしの価値観を融合した庭に続く土間空間の提案設計
そのなかでも
比較的現代社会の悩みを解決する
糸口になるのは
「土間のある住宅」です。
※無機質な空間に和を程よく添えた空間デザインでの土間のある家提案設計
日本の伝統的な古民家を
想起させる土間は、
かつて「薄暗い」「寒い」など
敬遠されがちな面もありましたが、
現代においては
屋内と屋外を緩やかに繋ぎ、
空間を多目的に活用できる
優れたスペースとして見直されています。
日常生活を営む上で大切にしたいのは、
家の内と外、
プライベートとパブリックとの
境界を意図的にデザインしながら、
暮らしに潤いをもたらすことです。
その点で土間は、
既存の玄関ホールとは
一線を画した多用途空間として機能し、
しかも独特の風合いや
趣をも演出してくれます。
建築家の観点から上品で
モダンな土間の魅力を
いろいろ考えるなかで
思うところもあります。
土間を活用して
住まいの可能性をより一層
広げていくように。
土間の魅力と
現代における再評価として
外と内を緩やかに繋ぐデザイン。
土間が見直される背景のひとつとして、
住まいと自然環境を
調和させるという
現代的な設計思想があります。
大きな開口部を設けた
土間に身を置くと、
室内にいながらも
季節の移ろいや風、
光を感じられます。
靴を脱がずに
気軽に出入りできることで、
子育てをされている方や
ペットとの生活を楽しむ
ご家庭にとっても
便利であり、
ストレスフリーな生活動線を
実現する助けとなります。
多目的に使える柔軟性。
土間空間は
使い道が自由な分、
家族構成や
暮らしのスタイルに応じて
さまざまな用途に展開できます。
例えば
自転車やバイクを乗り入れて
メンテナンスをしたり、
ベビーカーを置いておいたり、
ペットのケージや
遊び場を確保したりと、
アイデア次第で
「セカンドリビング」にもなり得ます。
実際、
住宅関連の調査によると、
都市部に暮らす人々の
約35%が自転車の保管場所に
悩みを抱えていると
言われます。
土間を計画的に設けることで、
自転車やアウトドア用品の
収納とメンテナンスを
まとめて行えるようになり、
玄関先が常に整然と保たれる
メリットを享受できるということも。
インテリア的要素と
素材の魅力土間と聞くと、
コンクリートやモルタルの
無機質な仕上げを
イメージしがちですが、
近年はタイルや天然石を用いることで、
高級感と清潔感を
両立させた土間が人気でもあります。
また、
一見無骨なコンクリートであっても、
上質な間接照明や
洗練された家具を組み合わせることで、
モダンかつ奥行きのある空間へと
昇華させることができます。
こうした素材の選定や
質感のバランスによって、
土間は玄関の単なる
通路以上の「住まいの顔」として
映える存在になります。
お客様をお迎えする際には、
独特の開放感と趣が
「ここは特別な場所なのだ」と
感じさせることに
繋がるかと思います。
具体的な活用事例と
ライフスタイルへの恩恵 。
自転車・バイクガレージとしての
土間利便性と
デザイン性を兼ね備えた
活用例として、
よく取り入れられるのが
「インナーガレージ的な土間空間」です。
玄関横や勝手口付近に
少し広めの土間を確保し、
車の保管場所(駐車スペース)とは別に
雨天時でも自転車やバイクを
濡らさずに保管できるように
計画するケースは
増加傾向にあります。
特にロードバイクや
電動自転車は高価なものも多く、
盗難対策を兼ねて
室内保管と見せる収納を
両立させたいという要望も
高まっています。
実用的かつインテリア的にも
秀逸なレイアウトが確立できれば、
目を引く魅力的な空間ともなります。
子ども・ペットの
遊び場としての土間・・・・・。
子育て世代の方々からよく伺うのは、
外遊びが大好きな子どもを
安心して遊ばせたい。
ペットがリビングを汚すことを気にせず、
のびのびと動き回れる場所を
確保したいという声です。
土間空間であれば、
泥や砂などの汚れを
気にしすぎることなく
遊ぶことも出来て、
掃除も容易で、
しかも段差を少なくすることで
子どもの転倒リスクも
最小限に抑えられます。
ペットに関しても、
外と室内を区切る
中間領域としての土間が
大いに役立ちます。
たとえば犬を散歩から
帰宅させる際に、
そのまま土間で足を洗い、
しっかり乾かしてから
リビングへ招き入れることが
可能になります。
家の中で気軽に半屋外の
気分が楽しめるので、
動物にとっても
快適かつストレスフリーな環境を
提供できるスペースになります。
ベビーカーやアウトドア用品の置き場、
手入れのスペースとして。
ファミリー層が増えるにつれ、
ベビーカー、キャンプ用品、
スポーツ用具などの
大型アイテムを所有するご家庭が
増えています。
しかし、
そうした道具を
リビングや廊下に
置きっぱなしにすると
生活動線が乱れるだけでなく、
室内美観の低下にもつながります。
土間があることで、
使用後すぐに汚れを落とし、
しっかり乾かしてから
収納するといった
ルーティンを確立しやすくなります。
特にアウトドア用品は
衛生面やカビ対策が重要となるため、
換気や採光に配慮した
土間スペースが
大いに重宝されます。
土間を設計する際の重要なポイント。
位置・広さの検討。
土間を実際にプランニングする際、
まず考慮すべきは
その「位置」と「広さ」です。
家族が日常的に
どのような動線を用いるかを踏まえ、
玄関周りを広くとる場合や、
リビングとの繋がりを意識して
土間を設置する場合など、
意図によって
最適なレイアウトは
異なります。
また、
自転車やバイクを保管するならば
最低でも2~3帖程度、
ペットの遊び場として
充実させるなら4帖以上、
といったように
必要な広さは
用途によって変化します。
設計の初期段階で
どの程度のスペースが必要なのかを
明確にイメージしておくと、
間取りが崩れることも
少なくなります。
床材や仕上げの選択。
土間は土足のまま立ち入る空間ですから、
床材には防汚性や耐水性が求められます。
モルタルやコンクリートが
選ばれることが多いですが、
タイル仕上げにすることで
掃除のしやすさや
高級感を演出できます。
汚れやすい場所だけに、
油や泥が付着しても
落としやすい仕上げを
選択するとよいかと思います。
また、近年では
断熱性能を高めたコンクリート床や、
床暖房を組み込んだ土間という考え方も。
冬場に足元が冷えにくくなるだけでなく、
建物全体の省エネルギー性を
向上させる効果も期待できます。
外部に近い空間だからこそ、
断熱性を高める工夫が欠かせません。
換気と採光土間は
屋外と室内を結ぶスペースである一方、
湿気がこもりやすい
側面も持ち合わせています。
特に梅雨や冬場などはカビの発生を
未然に防ぐためにも、
適切な換気計画が重要です。
可能であれば小窓を設け、
風の抜け道を確保するのがおすすめです。
また採光面も考慮し、
日中でも暗くならないように
上部から自然光を取り込む天窓や
ハイサイドライトを組み込む計画も。
採光や通風は、
土間の快適性だけでなく、
リビングやダイニングの雰囲気にも
影響を与えます。
建築家としては、
全体のプランを俯瞰しながら
土間からリビングへ、
あるいはリビングから土間へ
光と風が流れ込むような設計を
心掛けて一体感がありつつ
空間による趣の差も創出するようにしています。
断熱・気密性能の確保。
現代の住宅は高気密・高断熱化が進んでおり、
土間を設置する場合も
その基本性能を損なわないような
計画が大切です。
コンクリートを敷設しただけで
十分に暖かいかというとそうではなく、
床下断熱やサッシの性能によって
冬の冷え込みを抑える必要があります。
また扉や仕切りを
どのように設けるかもポイント。
土間とリビングを一体的に使いたい方は、
可動式の間仕切りや
大きなガラス扉を採用することで、
気候や季節に合わせて
空間を「広く使う」
「閉じて暖房効率を高める」といった
使い分けがしやすくなります。
デザインと機能の調和。
土間は一見「機能重視」のスペースと
捉えられがちですが、
実は住まい全体のデザイン性を
左右する大きな存在です。
自然素材や照明、
インテリア小物などを組み合わせることで、
通り一辺倒の玄関空間に
彩りを添えることができます。
たとえばモルタル調の無機質な床面に、
天然木の天井や
アイアンフレームの収納棚を加えれば、
モダンでありながら
温かみのある雰囲気を演出できます。
さらに植物や小物を置き、
季節を感じるディスプレイを施すと、
土間は「生活の余白」としての
豊かさを担う場と変化します。
土間をおしゃれに魅せる演出のアイデア。
照明計画土間や玄関周りは、
外部からの光が得にくいことも多いため、
照明の設計が極めて重要です。
ダウンライトをバランス良く
配置することで、
全体を均等に照らすベース照明を
確保しながら、
スポットライトや間接照明を使って
空間に陰影を生み出すのも効果的です。
さらに扉越しに漏れる光や、
足元を控えめに照らす
フットライトを設置することで、
夜間の安全性と美観を
両立させることができます。
異素材の組み合わせ土間は、
同じ素材だけで統一してしまうと
単調になりやすい一方、
異素材をバランス良く取り入れると
表情豊かに仕上がります。
具体的には、
硬質なコンクリートに対して、
木製のベンチやラタン調の収納、
スチールフレームのラックなどを
組み合わせると、
程よいコントラストと
温もりが演出されます。
また、カラーバリエーションを
抑えたシンプルな空間に、
挿し色として明るい小物や
グリーンを配置することで、
土間全体にアクセントを加える方法も
おすすめです。
見せる収納・隠す収納のメリハリ。
土間は雑多なものが集まりやすい
スペースでもあります。
そこで、
見せても美しいアイテムと、
隠したい道具や掃除用品などを
仕分ける収納計画が重要となります。
ガラス扉のキャビネットや
オープンシェルフを用いて
「見せる収納」を楽しみつつ、
クローゼットや収納ボックスを活用して
「隠す収納」で生活感をうまく
コントロールすると
土間の美観を常に保ちながら
使いやすい空間に仕上げられるかと思います。
土間とリビングを一体化させるプラン。
最近は、
リビングに大開口の引き戸を設置し、
土間との間仕切りを
最小限にとどめる設計も・・・・。
家族や来客の動線を
スムーズに確保しながら、
土間をリビングの延長として、
あるいはリビングを半屋外空間として
楽しむことが可能になります。
天候が良い日は扉を開け放ち、
土間を活用して
リビングをより広く感じさせる
といった使い方は、
暮らしに対して大いなるゆとりと
変化をもたらしてくれるようになります。
かつては「古い日本家屋の名残」として
見過ごされがちだった土間。
しかし、
現代の建築技術と設計思想の進歩に伴い、
土間は内と外を緩やかに結びつける
多目的スペースとして再評価され、
その可能性は飛躍的に広がっています。
自転車・バイクのガレージとして、
子どもやペットの遊び場として、
あるいはアウトドア用品の
メンテナンススペースとしてと、
用途は実に多彩です。
さらに、
素材選びや照明計画、
収納デザインの工夫によって、
土間は暮らしの機能面に
大きく寄与するだけでなく、
住まい全体のデザイン性を
高める大切な役割を担います。
空間に余白を生み出すことで、
忙しい日常生活の中でも
ほっと一息つける場所が生まれ、
家族のコミュニケーションを
豊かにする契機にもなるかと思います。
もし「土間のある家」に興味を持たれたなら、
ぜひ設計段階から
ライフスタイルや家族構成、
将来の住まい方を想像し、
建築家や工務店と相談しながら
プランを練り上げてみてください。
適切な広さや
配置、断熱・気密性能を確保し、
デザイン性と実用性を
うまくバランスさせれば、
土間はきっと暮らしの中で
大きな価値を持つスペースになるはずです。
最終的に土間がもたらすのは、
単なる収納・作業スペース以上の
家族や友人が自然と集まり、
外の空気を感じながらも
快適に過ごせる居場所です。
ぜひ、
おしゃれで使い勝手の良い土間を取り入れ、
日常に潤いと豊かさをもたらす住まいを
実現してみてはいかがでしょうか。
やまぐち建築設計室は
その家に暮らす家族の過ごし方を
デザインする設計事務所です。
暮らしの意識と時間を丁寧に。
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■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/
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