ブログ・コラム
2023.07.05
土地・敷地と暮らしの特徴にあわせて考える平屋の家・二階建てとの違いをどのように反映して暮らしのPLANをイメージするべきか?平屋の特徴を紐解きながら暮らしの環境を丁寧に。
- カテゴリ:
- 設計の事・デザインの事
よく考えた住まいは暮しが楽しくなる
平屋の家を計画するという選択肢。
※縦長・横長のメリットを価値観にあわせて融合した平屋の家プラン・一部「つし二階」有りの間取り
細長・縦長の平屋間取りの特徴・・・・・。
注文住宅建築時の
ポイントとして
平屋を建築する場合、
土地の形状から「縦長・横長の平屋」になる
場合があります。
※縦長・横長のメリットを価値観にあわせて融合した平屋の家プラン・一部「つし二階」有りの間取り
南北方向に長い、
または東西方向に長い場合、
平屋はどのような特徴を持つのか。
細長い、または縦長の平屋を建築した場合に、
どのような特徴が生まれるのか?
現在土地探し中の段階の人も参考になるので、
ぜひ最後まで読んでみてください。
縦長の平屋の特徴、縦長の平屋を
快適にする方法が分かるという事。
細長・縦長の平屋は
どのような特徴を持っているのでしょうか?。
状況にもよりますが
主な特徴は以下の通りとなります。
〇一直線の間取りになり、
シンプルな動線を獲得できる
〇開放的な空間構成になる
〇間取りによっては長い廊下ができる
〇端の部屋から端の部屋へ移動距離が長くなる
〇外壁が単純な形状になり、
メンテナンス費用が安価になりやすい
〇方位によっては家族だけのスペースを切り分けやすい
〇方位によっては日光を取り込みやすく明るい部屋に
〇方位によっては日差しを取り込みづらい
LDKを中心に水回りと個室が囲む間取りとなりやすく
家事動線・生活動線など、
人の動きを整理しやすく動きやすい間取りになります。
LDKを中心にした間取りの場合
家族だけのプライベートなスペースを
切り分けやすい事もメリットです。
縦長の家であれば、
玄関を通りLDKに入ると「奥の方はプライベートな部屋である」と
来客に明示しやすくなります。
開放的な空間構成になる事も
縦長の間取りの特徴です。
先述したとおり、
LDKが一体になった間取りとなりやすいので、
各間取りが一体となった
広々した空間を手に入れられます。
視線も遠くに抜けることから、
実際以上の広さを感じて生活できるかと思います。
外壁が単純な形状になりやすいので、
ある意味ではメンテナンス費用が安価に。
ロの字やコの字など、
曲がり部分の多い外壁は、
メンテナンスの費用もある程度計画の段階で
見込んでおくことも大切です。
間取りによっては
長い廊下ができるLDKを端に設置した場合は、
各部屋にアクセスするために「長い廊下ができる」点も特徴的です。
長い廊下は単に通路として利用する場合、
無駄なスペースとなりがちです。
ですが、たとえば廊下に面して収納を配置する、
デスクスペースを設ける、
オフィス等にある廊下のように
多用途で使える「場」を併設する廊下といった
暮らしに付随した工夫を加えることで、
長い廊下を有効活用できる可能性があります。
端の部屋から端の部屋までの移動が長くなる場合
特に洗濯動線など、
毎日重いものを持ったまま
移動する動線が長くなると、
生活が辛くなります。
ランドリールームを設けて
洗濯等を近い距離でこなす事が出来るような配慮として
洗濯機と干し場の距離、しわ取りやアイロン掛け
一連の収納やクローク等
移動と作業の関連性を
短くなるよう間取りを考える、
といった配慮が必要です。
日光を取り込みやすく明るい部屋に縦長の家は、
東西方向に長いのか、
南北方向に長いのかで特徴が変わります。
一方で、暮らし方の価値観によっては
全ての部屋が明るくなる点が
デメリットとなる場合も。
書斎やシアタールームなど、
強い光を避けたい部屋もあるので、
部屋の目的に合わせて、
部屋を設ける工夫が必要になります。
日差しについての考慮も
このブログの他の記事でも書いていますが
そのあたりの考慮も重要課題です。
高窓・天窓を利用した
採光の工夫も・・・・・・。
また縦長・横長の家では、
部屋を区切ると風通しが悪くなり、
採光の問題と合わせて
湿気・カビの問題が出やすい点も留意が必要です。
「細長・縦長の平屋」快適に暮らす間取りのポイント敷地条件から、
細長・縦長の平屋となった場合、
快適に暮らすためにはどのような点に
気をつければよいのか?。
玄関・リビングなど
使用頻度の高い部屋を
可能な限り中央に配置して
高窓・天窓を利用して採光を図る・・・・・。
部屋をつなげる。
空調などで通風を図る。
床面積が不足しても移動とのバランスに配慮する。
寝室・子ども室は
どちらかといえば
LDKからの距離感に配慮する。
移動の際の動線が長くなりがちな
縦長・横長の家では、
動線を短くする工夫が快適な家づくりのコツです。
LDKなど、
居住する時間が長い部屋をベースとなる位置に
配置することで、
水回りや個室に移動する際の
動線を短くできます。
部屋と部屋をつなげて、
計画的な採光のバランスを取る事も
暮らしやすいスペースを考える上では重要です。
採光と同じ理由で、
縦長・横長の家では、
南から北に風が抜けにくく、
北側の部屋に空気が留まりがちです。
部屋をつなげたり、
開閉可能な天窓を利用して換気したり、
機械的に空調で空気を動かすよう工夫も大切。
平屋は二階建てに比べて
坪単価が高くなりがちな構造です。
加えて、
縦長になると間取りの制限が多くなることから、
収納が削られがちです。
しかし生活に必要なバランスでの
収納を確保できず、
季節用品や大型の荷物が
居室に溢れる生活はどちらかといえば
ストレスのたまる空間となってしまいます。
先にも書いたように、
縦長・横長の家は
一体感・開放感を感じやすい間取りです。
一方で寝室・子ども室といった居室は、
就寝時などにはある程度の静粛性が求められます。
LDKと居室の間に短い廊下を設けるなど、
LDKの音や光が居室に
届かない工夫も必要になります。
平屋独特の
メリットもデメリットもありますが、
間取りを工夫することで
豊かな暮らしを送ることはできます。
敷地や家の形、
周辺の環境と生活の価値観を把握して、
最適解の間取りを計画するには
二階建て以上に実は
暮らしについての
豊かな設計経験が必要となります。
やまぐち建築設計室 建築家 山口哲央